Alegra

講師の紹介

ダラブッカの奏法について

音色の種類

ダラブッカは基本的にベース音のドン(D)、右手(左利きの人は左手)のテ(T)、左手(左利きの人は右手)のク(K)の3つの音でリズムを構成します。基本的にテ(T)とク(K)の音は同じ音量とトーンで叩きますが、テクニックがついてくると、テ(T)とク(K)の音を使い分けていきます。
つまりテ(T)の音をスラップ(パンという破裂音、コンガなどで使うテクニックと似ています。)の音で叩きます。エジプト人はサックといっています。

この基本的な4つの音と共に、左手(左利きの人は右手)の指4本を使って出すパララという音。これがダラブッカを叩く上で、重要なテクニックになってきます。これを使えると、ゆっくりした”リズムの粘り”やパラパラした細かい音を出す、ダラブッカ特有の「ノリ」が出ます。あるホームページではこのテクニックのことを指ロールと書いていました。いずれにしろ重要なテクニックです。

このラの音。ハミース・ハンキッシュも「ラ」と教えていました。この「ラ」。奏者によって奏法にかなり差があり、エジプトの「国立タンヌーラ伝承舞踊団」で現在ナンバー1ダラブッカ奏者のハニー・モルガンは薬指だけしか動かしていません。また、エジプトでは、「薬指のダブル・ストローク」で「ラ」の音を出します。この「ラ」が出来るようになれば「ダラブッカ奏者として免許皆伝」といえるほど重要なテクニックだといえます。

ダラブッカを叩く上で重要なのはフォームで、右利きの人は左腿の上にのせ、左手はダラブッカの上におくようにします。(左利きの人は逆になります。)つまり、利き手で基本となるリズムを叩き、そうでない手の方で音を埋めたり、リズムに変化を加えたりします。

最後に、右手をダラブッカの皮においてミュートし、左手で叩く鋭い音。時に指先、時にチョップのような形で打面をミュートして音色を変化させます。これはケ(Ke)と言っていますが、この音もラ(R)の音と共に重要で、右手の位置で音程や音色を変えたりします(これも左利きの人は逆)。つまり、ダラブッカは、音のトーンや音色が非常に重要にな楽器だというわけです。このケ(Ke)の音を出すときに、このダラブッカのフォームが非常に役立っているのですが、これに気づくようになるにはひたすら慣れるまで練習するしかないでしょう。

以上音色について説明しました。パ(P)、ラ(R)、ケ(Ke)の呼び名については私が便宜上付けたものですが、実際にエジプト人のプレーヤーも近いニュアンスで教えていました。ただし、ここで説明しているリズムやバリエーションのパターン名は、あくまで私の教授法にのっとった方法で書いています。また出版されている実際の楽譜では細かいバリエーションのニュアンスやパターンはのっていません。以下に説明するリズムのうち最上段はカウント、次の段が「楽譜の記載にのっとったリズムのパターン」、それ以降の下の段のリズムはバリエーションです。



Gypsy Queen Logo




English

無料ワークショップ

レッスン

授業の予定表

講師の紹介

生徒さんのコメント

エネルギーダンス

パーカッション

写真

ニュース

リンク

お問い合わせ

Home




アレグラ


アラビック・リズム

長々と音色について説明してきましたが、ここからエジプト、アラブ、トルコで共通して良く使われるリズムを中心に説明していきます。
ここで2〜3種類のバリエーションを載せていますが、太鼓などを叩いたことのない本当の初心者の方はリズムが書かれている一番上の段から練習し、余裕が出て来次第下の段の楽譜にチャレンジしてください。

記号の説明
D : ダラブッカの真ん中を叩くベース音(ドンの音)
T : テの音。利き手でダラブッカの縁あたりを叩く高音
k : クの音。利き手の反対の手でダラブッカの縁あたりを叩く高音
P : パの音。皮の真ん中あたりを叩くスラップ音
R : ラの音。指ロール
C : ケ(Ke)の音。右手で皮をミュートし、左手で叩き高い乾いた音を出す。
− : 休符


* フォックス *

4分の2拍子のリズムで、ロンガ形式(4分の2拍子の音楽形式)で主に使用されるリズムです。ドンが1回のリズムで軽快に演奏されるリズムです。

‖1 - 2 - ‖
‖D - P - ‖(基本のリズム)
‖D k T k ‖

+、−は8分音符だと思ってください。


* アユーブ *

4分の2拍子のリズムで、以下のような構成です。ドンが2回のリズムでノリの良いアップ・ビートなリズムです。フォックスよりもノリが緩やかです。

‖1 - + - | 2 - + - ‖
‖D - - k | D - P - ‖(基本のリズム)
‖D - - k | D - P - ‖
‖D - k k | D - P - ‖

+、−は16分音符だと思ってください。


* カラチ *

これも2拍子のリズムで、以下のような構成です。

‖1 - + - | 2 - + - ‖
‖T - - - | T - D - ‖(基本のリズム)
‖T - - k | T - D - ‖
‖P - t k | P - D - ‖

これはアユーブと音符の位置が一緒ですが、ドンの位置が拍子の頭に来ないアラブでは珍しいリズムです。ジャンベにもまったく同じリズムがあり、ギニアではファンカニと呼ばれています。以前何かの本かライナーノーツでホッサム・ラムジーが「このリズムは元々アラブにはないリズムだ。多分アフリカから来たのだろう。」と言う説明を読んだ覚えがあります。ハミース・ハンキッシュ曰く、マグレブ地方(モロッコなど北アフリカの西側諸国をさす)のリズムで、後述する「サウジ」や、他のマグレブのリズムと共に演奏されます。カラチの踊りは頭を横に振って踊るような、アフリカっぽいものです。


* マルフーフ *

2拍子16ビートのリズムで、以下のような構成です。非常にエキサイティングなリズムです。スフェイヤ(スーフィー音楽の意味)では、ワヘッド・キビーラ(後述)と共に重要なリズムです。

‖1 - + - | 2 - + - ‖
‖D - - P | - - P - ‖(基本のリズム)
‖D - k P | - k P k ‖
‖D k k P | k k P k ‖


* サウジ *

マルフーフと同じ、2拍子16ビートのリズムで、ドンの数が増えます。マルフーフに比べてゆったりした感じで演奏されます。

‖1 - + - | 2 - + - ‖
‖D - - D | - - P - ‖(基本のリズム)
‖D - k D | - k P k ‖


* イングラーダ、ワヘッド・スレーヤ、ワラッヒー *

スフェイヤでは最も重要なリズムです。2拍子16ビートのリズムでかなり早く演奏されます。スフェイヤでは盛り上がった時に演奏されるリズムで、トランス状態を引き起こさせる「盛り上がり」を表すリズムです。

‖1 - + - | 2 - + - ‖
‖D - - - | D - - - ‖(基本のリズム)
‖D k t k | D k t R ‖

以上が2拍子系のリズムです。次に3拍子のリズムを説明します。


* ヴァルス *

3拍子のリズムは「サマーイ形式」という音楽の後半に必ず出てきます。アラブ古典音楽には欠かせないぐらい重要なリズムです。3拍子の基本はこのヴァルスです。西洋で言うワルツと同じようなリズムです。ドンが1回の3拍子のリズムです。

‖1 - + - | 2 - + - | 3 - + - ‖
‖D - - - | T - - - | T - - - ‖(基本のリズム)
‖D - k k | T - k - | T - k - ‖
‖D - k k | P - k - | P - k - ‖

+、−は16分音符だと思ってください。


* サラバンド *

8分の3拍子のリズムで、基本はヴァルスと同じですが。倍の速さで演奏されます。ドンが1回の3拍子のリズムです。

‖1 - 2 - 3 - ‖
‖D - T - T - ‖(基本のリズム)
‖D r T k T k ‖

+、−は16分音符だと思ってください。


* ダリッジュ *

4分の3拍子のリズムで、アクセントの位置が変わってきます。ドンが1回の3拍子のリズムです。

‖1 - + - | 2 - + - | 3 - + - ‖
‖D - - - | T - T - | T - - - ‖(基本のリズム)
‖D - k k | T - T - | T - k - ‖
sa

+、−は16分音符だと思ってください。


* シニスキン *

8分の6拍子のリズムです。アクセントの位置が変わってきます。ドンが2回の3拍子のリズムです。これが4拍子になると「シニスキン・カビール」となります。

‖1 - 2 - | 3 - 4 - | 5 - 6 - ‖
‖D - - - | T - D - | T - - - ‖(基本のリズム)
‖D - t k | T - D - | T - t k ‖

+、−は16分音符だと思ってください。


* イクサック *

8分の9拍子のリズムです。基本的に3拍子のリズムです。アクセントの位置が変わってきます。

‖1 - 2 - 3 - | 4 - 5 - 6 - | 7 - 8 - 9 - ‖
‖D - - - T - | D - - - T - | D - D - T - ‖(基本のリズム)
‖D - t k T - | D - t k T - | D - D - T - ‖

+、−は16分音符だと思ってください。


以上が3拍子系のリズムです。次に4拍子のリズムを説明します。


* マクスーム *

ほとんどのアラブの音楽が、この4拍子のリズムで構成されているといっても過言ではないでしょう。ドンが2回の4拍子のリズムです。

‖1 - + - | 2 - + - | 3 - + - | 4 - + - ‖
‖D - t - | - - t - | D - - - | t - - - ‖(基本のリズム)
‖D - P - | k - P - | D - k - | P - k k ‖
‖D - P - | k k P - | D - k k | P - t R ‖
‖D - C - | k - C - | D - k - | C - k k ‖

+、−は16分音符だと思ってください。


* マスムーディ・サギール (バラディ、地元の意味) *

ミドル・テンポの親しみやすいリズムです。ドンが3回のリズムです。このリズムを叩いているとき友人のアルジェリア人が「このリズムはアイリッシュのリバーダンスみたいに踊るんだ」といってました。

‖1 - + - | 2 - + - | 3 - + - | 4 - + - ‖
‖D - D - | - - T - | D - - - | T - - - ‖(基本のリズム)
‖D - D - | T k T - | D - T k | T - T k ‖
‖D - D - | k k P - | D - k k | P - k k ‖


* サイーディ *

エジプトの最近のポップスは、このリズムでほとんど構成されています。ゆっくりした重いテンポで演奏されたり、テンポは様々です。これもドンが3回のリズムですが、位置が変化します。

‖1 - + - | 2 - + - | 3 - + - | 4 - + - ‖
‖D - - - | - - D - | D - - - | T - - - ‖(基本のリズム)
‖D - t k | t k D - | D - t k | P - t k ‖
‖D - P - | k k D - | D - k k | P - k k ‖


* タクシーム (ワヘッド・タウィラ) *

モハメッド・ドムナティというモロッコ人のすばらしいダラブッカ・プレーヤーがいるのですが、彼からクリニックを受けたときに「4拍を数える練習」として教わりました。又最近来日したアンクル・マフーフォが「アラブの音楽にとって非常に大事なリズム」といってました。色々なバリエーションで叩かれるリズムです。

‖1 - + - | 2 - + - | 3 - + - | 4 - + - ‖
‖D - t k | t k T - | t k t k | T - t k ‖
‖D - t k | - k T - | t k - k | T - t k ‖
‖D R t k | - k T R | t k - k | T R t k ‖


以上が4拍子系のリズムです。次に4分の8拍子のリズムを説明します。


* マスムーディ・カビール *

大きなマスムーディという意味。曲中に変化を付けたりするときに良く使用されるリズムです。

‖1 - + - | 2 - + - | 3 - + - | 4 - + - | 5 - + - | 6 - + - | 7 - + - | 8 - + - ‖
‖D - - - | D - - - | T - T - | T - - - | D - t k | t k T - | t k t k | T - t k ‖
‖D - t k | D - t k | T - t k | T - t k | D - t k | t k T - | t k t k | T - t k ‖

+、−は16分音符だと思ってください。


* ワヘッド・カビーラ *

非常にポピュラーなリズムです。バシュラフという4拍子の音楽形式に主に使用されます。スフェイヤではタハミーラという自由リズムで朗々と歌が歌われる部分の後に、必ずこのリズムが演奏されます。ゆったりとした曲調に使用されます。

‖1 - + - | 2 - + - | 3 - + - | 4 - + - | 5 - + - | 6 - + - | 7 - + - | 8 - + - ‖
‖D - - - | - - T - | - - - - | T - - - | D - - - | - - - - | T - - - | - - - - ‖(基本のリズム)
‖D - t k | t k T - | t k t k | T - t k | D - t k | t - t k | P - - - | - - - - ‖


* チフテテリ *

これも非常にポピュラーなリズムです。オープニングやゆっくりした曲のリズムに用いられます。

‖1 - + - | 2 - + - | 3 - + - | 4 - + - | 5 - + - | 6 - + - | 7 - + - | 8 - + - ‖
‖D - - t | t - t - | - t t - | t - t k | D - - - | D - - - | P - - - | - - - - ‖(基本のリズム)
‖D - t k | - k t - | t k - k | T - t k | D - t k | D - t k | P - - - | - - - - ‖


以上が8拍子系のリズムです。次に変拍子のリズムを説明します。

変拍子と西洋音楽の概念ではそう呼ばれていますが、トルコ系の民謡は4カウントでは割り切れないリズムが多く存在するそうです。なぜこのような変拍子が存在するか?これらの変拍子系の音楽は、踊りのステップや歌と密接に結びついているようです。
たとえば日本民謡の

「あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ、熊本さ、熊本どこさ、てんまさ」

を日本人は変拍子だと意識することがあるでしょうか?
このリズムは「1234、12、123、123、1234、12」と数えていることになるのですが、別に不自然に感じませんよね?(小泉文夫「音楽の根源にあるもの」(青土社)から引用)。このように、数え方を知っていればべつだん不思議な理解不能なリズムはないことになります。
つまり変拍子の曲が多く存在する理由は、音楽を奏でている人々が先の手まり歌のように、歌のフレーズにあわせたリズムを捉えているからなのです。 前述のサウジで考えると分かりやすいのですが、

‖1 - - | 2 - - | 3 - ‖
‖D - K | D - K | T k ‖

このように、前述で示した西洋音楽的な楽譜の割り方よりも、以上のようにリズムを捉えているといったほうが自然かもしれません。この考え方を念頭に置くと、より自然にダンスのステップを決めることが出来る上、ソロを叩く上でも自然とフレーズが安定してくるから不思議です。


* マグレブ *

変拍子とは言いがたいかもしれません。3拍子なのですが手順が面白い上、リズムが高揚すると16拍子っぽくなるという面白いリズムです。

‖1 - 2 - 3 - ‖
‖D - T - k - ‖


* カルシルマ *

トルコなどのロマ(ジプシー)のリズムで、今では様々な曲に使われ変拍子系で最もポピュラーなリズムです。8分の9拍子というリズムです。

‖1 - - - | 2 - - - | 3 - - - | 1 - 2 - 3 - ‖
‖D - - - | t - - - | D - - - | t - t - t - ‖
‖D - t k | P - t k | D - t k | T - T - T - ‖
‖D - t k | P - t k | D - t k | T - T - - - ‖

似たリズムで「ダウル・ヒンディー」というリズムをハミース・ハンキッシュから習いました。このリズムはゆったりと演奏されます。インドからきたリズムだとハミースは言っていました。

‖1 - - - | 2 - - - | 3 - - - | 1 - 2 - 3 - ‖
‖D - t k | P - t k | D - t k | P - - - P - ‖


* スルクレ *

これもトルコのロマ(ジプシー)のリズムで、スルクレとはイスタンブールにあるロマたちの住む地区の名前らしいのですが、アンクル・マフーフォに習ったときにこの名前を知りました。これも8分の9拍子というリズムですが、非常にトリッキーなリズムです。

‖1 - 2 - | 3 - 4 - | 5 - 6 - | 7 - 8 - | 9 - ‖
‖D - - - | D - - - | T - - T | - - T - | t k ‖

実際はこのように考えると演奏しやすいと思います。

‖1 - - - | 2 - - - | 1 - - | 2 - - | 3 - - - ‖
‖D - - - | D - - - | T - - | T - - | T - t k ‖
‖D - t k | D - t k | T k k | T k k | T - t k ‖
‖D - t k | D - t k | T - t | k - k | T - t k ‖


* ダーリッジュ・ハリッジ *

湾岸のリズムで、モロッコ人のダラブッカプレーヤー、モハメッド・ドムナティに教わったリズムです。基本的には3拍子です。

‖1 - - - | 2 - - - | 3 - - - ‖
‖D - k T | - k T k | D k T k ‖

実際はこのように考えると演奏しやすいと思います。

‖1 - - | 2 - - | 3 - | 1 - 2 - ‖
‖D k k | P k k | P k | D k P k ‖


← home

 


|English|
無料ワークショップ| レッスン| 授業の予定表| 講師の紹介| 生徒さんのコメント
エネルギーダンス| アラビック・パーカッション| 写真| ニュース| リンクの紹介
|お問い合わせ|

Copyright (C) 2006 Gypsy Queen Co.,Ltd. All Rights Reserved.